さとみクリニック - トピックス

検査項目のご案内。


平素より さとみクリニックに格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
例年ですと九州南部の梅雨明けは7月中旬、15日前後。ここ数日の晴天は、梅雨明け前最後の中休みといったところでしょうか(高速道路における『 “最後の休憩所” 桜島パーキングエリア』的な…)。
雨音と共におはよう、雨音と共におやすみ。来る日も来る日も雨ばかりといった時期もありましたので、雨が降らないどころか青空まで垣間見えるというのはそれだけで大変ありがたいことなのですが、その分屋外の暑さは大変なことになってますね。
日中はクリニックに籠もっていることが多いのですが、一日の業務が終わり帰路に就く7時頃であっても外はまだ全然暑いっていう…。茹だるような熱気に心身の準備が追いつかず、ドアを開けた瞬間思わず「ヒィッ!!」っと声が出る、そんな毎日です。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のトピックスは、当クリニックでは新規となる検査項目のご案内です。


どれくらいの時間が流れたのか。押し黙る一組の男女。
何度目かの逡巡の果て、それまでの長い沈黙を破り、女は ついにその口を開いた。
女    「わたし今日病院に行ってきたの。人より…妊娠しにくい体なんだって……」
固唾を呑んでこれまでの二人を見守っていた とある産婦人科医は一人つぶやく。

産婦人科医「…って、いったいどんな検査だよっ!?」

もちろん明らかに妊娠が望めない状況や、妊娠の妨げとなる病気や健康状態は存在します。それらは問診や検査で判明しますし、治療や あるいは改善に向けてのアドバイスが可能です。
ただ、本質的な部分で個人個人の「妊娠しやすさ・しにくさ」を知ることのできる方法は、現在の医療をもってしてもありません。
そんな中、上記のようなシチュエーションで医学的根拠として用いられたであろう検査が、今回紹介する『AMH』検査です。
AMHは抗ミュラー管ホルモン(Anti-Müllerian hormone)の略で、簡単に説明すると「卵巣内にあとどれくらいの卵子が残っているか」を調べる検査です。
みなさんもご存知の通り、女性の体内で男性の精子と女性の卵子が出会って受精することが妊娠の始まりです。
その卵子の数が女性の一生でいちばん多い時期はまだこの世に生を受ける前、お母さんのお腹の中の妊娠5~6か月の胎児のときで、その時点ではおよそ600万~700万個もあると言われています。
それが出生時には約200万個となり、初経を迎える思春期には20~30万個、閉経を迎える更年期には1,000個程を残すのみとなります(あまり知られていませんが、卵子は1か月に約1,000個ずつ消滅していきます)。
このように加齢と共に減っていく一方の卵子なのですが、その減少具合には個人差があり、同世代の女性であっても状態が大きく異なります。年齢のわりに多い方、少ない方がいらっしゃるわけです。
そのため、実際に卵巣に残っている卵子の量の指標として現在注目されている検査がAMHです。


AMH検査の方法、注意点など

  • AMHは血液検査です。月経周期内での変動が小さいため、いつでも検査が可能です。
  • 検査自体は外部の業者様に委託のため、結果が出るまでにはお時間を頂戴します。
  • 保険適用はされていない検査のため、費用は全額自己負担となります。


そしてこれがいちばん肝心なことなのですが…

  • AMHの数値と妊娠率に相関関係はありません!


AMHはあくまで卵子の量の目安であって、卵子の質や老化を表すものではありません。数値が高いから確実に妊娠できるといった類ではありませんし、たとえ数値が0であっても妊娠・出産できたという例もたくさんあります。
ここだけ読まれると、それじゃあ検査をしてもあまり意味がないじゃないかとお考えかと思います。
しかし検査結果の見方を変え、その活用法を考えてみると、この検査には大きな意義が出てきます。
例えば現在妊娠や出産などはまったくお考えでない女性であっても、それらの機会はいつ訪れるか分かりません。検査をされてAMHが低値であれば、自然排卵が起こりにくい傾向にあり、妊娠にはまずお薬による排卵の誘発が必要な場合があります。また、卵巣自体の機能不全などの早期発見にも繋がり、早めに不妊治療に取り掛かることが出来ます。「赤ちゃんが欲しい!」となってから不妊の要因が見つかれば、いきなり出鼻を挫かれます。「いざ!!」の瞬間にベストなコンディションで臨むためにも、知っておいて損のない数値だと思います。
また、現在不妊治療に取り掛かっていらっしゃる方であれば年齢と検査結果を照らし合わせ、不妊治療をいつまで行うのかの時間的な目安や、残っている卵子を有効活用する治療方針への切り替えのタイミングの判断材料にもなります。
このようにAMHは女性のライフスタイル、結婚・妊娠・出産等の人生設計にも役立つ検査です。
ご興味のある方は、当クリニックまでお気軽にご相談くださいませ。


太陽は罪なヤツ
冒頭では ただただ愚痴で暑い暑い言っていましたが、全国各地で急な真夏日による熱中症で搬送される方が急増しています。お日様の もたらしてくれる明るさ、温かさに感謝の気持ちと共に、その危険性も忘れずに! 帽子・日傘・日陰の活用、こまめな休憩・水分補給、エアコン等による適度な室温設定などで、これから始まる長い長い夏に備えましょう。「楽しいときこそ要注意!」で素敵な夏の想い出を。
今回も最後までご愛読ありがとうございました。それでは次回のトピックスでお会いしましょう。