さとみクリニック - トピックス

風疹まとめ ~対策編~


やはりいちばん有効な対策としては、風疹ワクチンを接種して抗体(※体内に入ってきたウィルスなどの異物をやっつける物質)を作り出しておくことです。
しかし風疹ワクチンの接種にはいくつかの注意点や問題点があり(後述)、すぐには受けられない状況も考えられます。
そうした場合の予防法としては…

  • 可能な限り人混みは避け、不要不急の外出は控える
  • 外出時はマスクなどを着用し、こまめなうがい・手洗いを心掛けましょう
  • ご本人だけでなく、周りにいる方(パートナーやお子様、同居されているご家族など)も発症しないよう予防に努める

ウィルスは人から人へと感染していき、家庭や職場など集団生活の場で瞬く間に広がります。
まずは自分が気をつけて行える予防法をしっかりと実践し、あなたの親しい友人や大切な人達の間で流行することを防止しましょう。

風疹ワクチンについて
風疹ワクチンとは、毒性を弱めた風疹ウィルスを培養・増殖させ、凍結乾燥させた物です。
ワクチンを接種することにより、感染した場合に出る症状をほとんど出さずに、ウィルスに対する抗体を得ることができます。
風疹ワクチンには風疹だけの抗体を作る「単独ワクチン」と、風疹と麻疹(はしか)、2つの抗体を作る「混合ワクチン(MRワクチン)」があります。
単独ワクチンの方が値段はお安いのですが、例年需要が少ないため今年度の供給量も限られており、5月からのワクチン接種者数の急激な増加により、既に入荷未定の状態となっています。
当初在庫は十分とされていた混合ワクチンも、今夏一時的に不足するおそれが出てきています。

風疹ワクチン接種の注意点・問題点
風疹ワクチンの接種には知っておいて頂きたい、いくつかの注意点や問題点があります。

  1. ワクチンの接種は妊娠していない時期(生理中、またはその直後がより確実)に行い、その後2ヶ月間は避妊が必要です
    わずかでも風疹ウィルスの危険にさらされている状態で妊娠することを避けるためです。
    接種から抗体ができるまでには時間が掛かるため、接種後の避妊期間も必要となります。
    そのため既に妊娠されている方や、一日でも早く妊娠をとお望みの方にとっては、大変頭の痛い制約となります。
    ごくまれにワクチン接種後に妊娠していたことが分かったというケースもありますが、これまで風疹ワクチンにより先天性風疹症候群が発症したという報告は1例もありません。しかし、その危険性が理論的に完全に否定されているわけではありませんので、やはり注意は必要です。
    ちなみに男性には接種後の避妊期間は必要ありませんし、ご家族など周囲の方々の接種が妊婦さんに影響することもありません。産後や授乳期間中の接種も問題ないとされています。
  2. 1回のワクチン接種で十分な抗体が作られない方もいらっしゃいます
    これまでの報告によると、1回の予防接種でウィルスに感染するのを防ぐ抗体が十分に作られないケースが5%弱あるとされています。確率は少ないものの、100%確実ではないということです。
    また、過去に受けた予防接種でキチンと抗体が作られていても、年数が経過することで減少することもあり得ます。
    そのため今の子供たちは、1歳の誕生日からの1年間と小学校就学までの1年間、2回の接種を受けることで、その効果を高めています。
    余談ですが、子供のときに風疹にかかった記憶のある方々に血液検査を行ったところ、その約半分は記憶違いや風疹に似た他の病気であったという調査結果もあります。油断や過信は禁物です。
  3. 任意の予防接種には健康保険が適用されないため、経済的な負担が掛かること
    通常病気や怪我で病院に掛かる場合には健康保険が適用され、保険証の種別にもよりますが医療費の3割ほどのご負担で済みますが、任意の予防接種には健康保険が適用されませんので、全て自己負担となります。同じく、風疹に対して十分な抗体があるのか調べる検査も保険適用外となっています。
    子供たちのように無料とまでは言わなくても、せめて自治体からの助成は欲しいところなのですが、鹿児島県内で現在助成を行っているのは薩摩川内市とさつま町のみとなっています。
    そこで抗体検査を省いて、直接風疹ワクチンを接種するというのも選択肢に入ってくると思います。結果を待つ時間や検査費用の節約になりますし、抗体のある方が接種を受けることで弱くなった免疫の再活性化も期待できます。

”前もって”の行動が、あなたとあなたの大切な人の幸せを守ります。
自覚症状もないまま周りの人や妊婦さんにうつしてしまう可能性を忘れずに、一人一人が予防を意識することが何よりも大切です。