さとみクリニック - トピックス

インフルエンザと秋の空。 ~延長戦~


平素より、さとみクリニックに格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今回も引き続きインフルエンザについての考察です。
まずは前回の補足、インフルエンザの潜伏期間と、周囲への感染力を保持している時期についてです。
※ 期間に関しては、ウィルスの種類やご本人様の免疫力、その時々の体調など、様々な要因が絡み合うため、なかなか一概には申し上げられません。“一般的には”という前置きで何卒ご容赦ください。
インフルエンザに感染してから症状が出始めるまで、通常1~2日、長い方で一週間ほどです。
潜伏期を経て、倦怠感や悪寒と相前後して38℃以上の急な高熱を発症。その後数日で熱が下がり始め、諸症状も徐々に緩和。発症から一週間ほどで完治といったケースが多いようです。
ただ、あくまで普段健康な若い方が回復に努めた場合の目安ですので、体力が低下していらっしゃる方や持病をお持ちの方、小さなお子様や ご高齢の方などは、病状が長期化・重症化する危険性を伴います。
潜伏期間中も周りへの感染力があり、発症する前日から解熱後2~3日の間はウィルスを排出していると言われています。
たとえ回復が早くても、完全にウィルスが出なくなるまでは周囲へ うつすことのないよう、十分な配慮が必要です。

インフルエンザの予防法
前回お話ししましたように、風邪とインフルエンザには多くの類似点があります。
同様に、その予防法も数多くが共通しています。
具体的な予防法を述べる前に、まず知っておいていただきたい、インフルエンザの主な感染の原因を2つご説明したいと思います。

  • 飛沫感染
    「飛沫(ひまつ)」とは、細かく飛び散る水のことで、ここではインフルエンザに感染されている方の咳や くしゃみの際 飛び散る“しぶき”のことを指します。飛沫にはインフルエンザのウィルスが含まれており、それを周囲の方が吸い込み、鼻や口の粘膜に触れることで感染することを“飛沫感染”と呼びます。
    早々に「そもそも飛沫を浴びなければ良い」という結論に達するのですが、社会生活の中にインフルエンザが流行し始め感染者が増えてくると、それを実行することは なかなか容易ではありません。
  • 接触感染
    飛沫などで体外に排出されたウィルスは周囲の様々な物に付着し、極々短時間ではありますが生きています。その場所に触れた手を通じてウィルスが体内に侵入することを“接触感染”と呼びます。
    当然ですがウィルスは目には見えませんし、発症前で感染に気づいていらっしゃらない方や、たとえ感染していても症状の軽微な方、中には症状の全く出ない方もいらっしゃいます。感染されている方の体表や触れた箇所はもちろんのこと、公共交通機関の吊り革やエレベーターのボタンなど、感染の危険は そこかしこに潜んでいます。


以上のことを踏まえて頂いた上での予防法なのですが…

  1. マスクの着用
    もういきなり普通すぎるアドバイスで、申し訳なさすら感じるのですが…。
    飛沫感染を防ぐには、マスクが非常に効果的です。
    慣れるまでは多少窮屈に感じるかもしれませんが、きちんと鼻の頭から あご下までを覆い、隙間のないように着用することがコツです。
    外出から戻ってきたときは、マスクの表面にもウィルスが付着している可能性があります。
    表面には なるべく触らないように破棄し、マスクは こまめに取り替えるようにしましょう。
    ただ、マスクの効果それ自体は、決して絶対ではありません。マスクをしているから大丈夫と過信せず、不要不急の外出は避ける、人の出入りの激しい場所には長く留まらない等の心掛けが肝心です。
  2. うがい・手洗いの励行
    これまた定番中の定番、ど定番ですね。
    外に一歩出れば、いつどこでインフルエンザウィルスと接触するか分かりません。
    手洗いは手指についたウィルスを除去し、接触感染を防ぐのに大変有効な手段です。
    うがいに関しては最近では諸説あり、以前ほど有効性が謳われなくはなってきていますが、個人的には やらないよりは絶対やった方が良いと思います。喉の乾燥は粘膜の防御機能の低下にも繋がり、ウィルスに感染しやすくなります。喉を潤し乾燥を防ぐ意味からも、うがいもセットで試されてみてはいかがでしょうか。
    また、最近いたるところで、消毒用アルコールの噴霧器を見掛けるようになりました。
    アルコールによる手指の擦過消毒は、インフルエンザにも高い効果を発揮します。
    有効に利用して、インフルエンザの侵入を食い止めましょう!
  3. 十分な栄養、十分な睡眠
    鉄板すぎて、もはや言うことはありません、すみません…。
    栄養バランスの良い食事は体の免疫機能を高め、インフルエンザの予防効果もアップさせます。
    逆に疲労やストレスは免疫力を低下させます。より良い睡眠で、体力の回復と気持ちのリセットを!
    他にも、室内と屋外の温度差にあわせた こまめな衣類の脱ぎ着で体温の調節を心掛けたり、適度な運動で体力の維持・向上に努めることも、インフルエンザに負けない体づくりには大切なことです。
    環境的に厳しいという方も多いかもしれませんが、お部屋を適切な湿度に保ち(だいたい50%前後と言われています)、空気の乾燥を防ぐことでウィルスの繁殖を抑えられます。
    あまりに湿度を上げ過ぎると、今度はカビやダニが繁殖しやすくなるため、注意が必要です。
  4. インフルエンザワクチンの接種
    これまで挙げてきた方法は、インフルエンザに限らず風邪など、他のウィルス感染にも通じるものだったのですが、こちらはその名の通りインフルエンザ特有の、且つ最も確実な予防法です。
    勘違いしていらっしゃる方も多いかと思いますが、ワクチンを接種しても感染する可能性が0になるわけではありません。もちろん感染そのものを防ぐという効果も期待はできますが、感染しても発症しない、仮に発症しても重症化しないといった点が大きなメリットです。
    そのため予防接種を受けた後も上記した予防法を併せて実践し、感染自体の確率を下げる努力も必要です。
    また、感染後ワクチンの効果で仮に発症しなかった場合、無自覚なままインフルエンザのウィルスを媒介してしまう可能性も十分考えられます。
    あなたの周りの親しい人達、大切な人と感染の輪を作ってしまわないように、一人ひとりがキチンと自衛することが、ウィルスを蔓延させない最善の予防法です。
    ちなみに接種したワクチンから体内に抗体が作られるまで、2週間ほどかかります。
    流行し始める前、ちょっぴり早めの接種がポイントです。

以上が代表的な予防法となります。ここまでご覧いただき、誠にありがとうございました。
インフルエンザの初期症状に限らず、体調の悪さや違和感を感じたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。早期に発見できれば、現在抗インフルエンザウィルス薬も開発されています。
もちろん そういった機会は無いに越したことはないのですが、万が一の際はお気軽にご相談ください。
11月に入ると南国鹿児島にも、少しずつ冬の気配が漂い始めます。
風邪やインフルエンザを撥ね退けて、なにかと慌ただしくなる年末年始に備えましょう!